訪問美容師になるには?必要な資格と手続き
こんにちは。訪問美容チームのHomon salon nie.(ニーエ)です。
訪問美容を仕事として行うには。訪問美容を仕事とする訪問美容師になるには。どんな資格が必要で個人で開業するにはどんな手続きがなくてはならないのか。今回は訪問美容をやる側(美容師側)の観点で解説していきたいと思います。
訪問美容に関してはこちらからも記事を覧ることができます。
【訪問美容師として働くには】
訪問美容師として働くには訪問美容をサービスとして提供しているヘアサロンで働いたり、訪問美容専門の企業に就職するというパターンと、自身で訪問美容師を名乗り屋号を設けて独立開業するパターンがあります。
○必須なのは美容師免許/理容師免許
訪問美容のお仕事をするには上記どちらの場合でも『美容師免許』もしくは『理容師免許』の取得が必須になります。在学中や通信課程受講中の取得見込みではいけません。
さらにはカットやカラーをするための技術や知識も必要になるので実務経験も必要になってきます。年数などのキャリアは必須項目ではないですが、技術などサービスを提供していく以上ヘアサロンで必要なスキルと同じ様なものが求められるでしょう。
【訪問美容の現場では介護の知識や理解が求められる】
訪問美容で働く上で、介護に関する資格は必須ではありません。しかし高齢な方や入院中の方、介護を受けている方、障害を持った方などを対象とするため、基本的な介護の知識が求められます。
訪問美容を主に事業にしている事業所や、地域で活動している個人の訪問美容師さんが主催する勉強会やセミナー、交流会などもある場合があります。
近くにそういったコミュニティがあるのならば足を運んで学んだり、SNSを通じて発信している方々と交流する事で学ぶ機会に繋がることもあると思います。
また、ケアマネジャーさんから仕事の依頼を受けることや、施設のスタッフさんと相談したりコミュニケーションをとることも多いため、ある程度の専門用語も理解しておきたいところです。
そのため、資格試験の勉強や講習会などで学ぶことが可能であり、一般的です。次のような資格や研修があり、介護の知識や訪問美容のことを学べるでしょう。
○介護職員初任者研修
研修は講義と演習があり、研修時間や合計で130時間です。
色々な会社や自治体が主催しているので、ご自身の自宅や通いやすいエリアにどういった主催団体がどのようなカリキュラムとお値段でやられているか調べてみるとよいでしょう。
- [受講資格] とくになし
- [受講内容] 職務の理解、介護における尊厳の保持・自立支援、介護の基本、介護・福祉サービスの理解と医療との連携、介護におけるコミュニケーション技術、老化の理解、認知症の理解、障害の理解、こころとからだのしくみと生活支援技術 など
先にも述べましたように初任者研修は様々な会社や団体、自治体が研修を行っており、取得するためのカリキュラムや受講費に大きく差があります。例えば週に1回(朝から夕方まで)だったり、平日毎晩(数時間)だったり、お仕事やご家庭の都合によって選べるようになっています。訪問美容を始める際に必須資格ではないので、実際に訪問をしながら受講する方も少なくありません。
○訪問福祉理美容
一般社団法人日本訪問福祉理美容協会が認定する資格です。講習を受けることで取得できますが、受講には美容師または理容師免許が必要です。福祉や介護の基礎知識を学ぶことができ、高齢者の方とのコミュニケーションの留意点、訪問美容の流れや概要、施術時の注意点なども学ぶことができます。
- [受講資格] 美容師または理容師免許の保有者
*厚生労働省指定の美容師・理容師養成教育機関を卒業し、美容師・理容師試験受験履修単位取得見込み証明が可能である者も可 - [受講内容] 訪問美容とは、福祉・介護・医療等の基礎知識、訪問美容の準備、道具の取り扱い、施術時の注意、高齢者とのコミュニケーション、消毒・感染症等
○福祉理美容士
認証NPO法人日本理美容福祉協会が認定する資格です。2日間の講習とテキストでの学習を経て取得できますが、受講するには美容師または理容師免許が必要です。寝たきりの方をカットできるベッドカットやベッドシャンプーの技法、基本的な介助方法を学ぶことができます。
- [受講資格] 美容師または理容師免許の保有者
- [受講内容] テキスト学習、レポート提出、講習(1日目:講義、2日目:実技)
【訪問美容師として得ておきたい介護の知識】
先に述べましたように、それぞれの資格や研修である程度基本の知識は学ぶことができます。
その他に、私共が訪問美容の現場にいくことで感じた訪問美容をやるにあたって知っておきたい事を何点かまとめていきます。
○介護施設の形態やサービス内容
介護施設とひと口でいっても様々な形態や運営元、それに伴うサービス内容の違いなどがあります。どんな介護施設にどんな利用者様がいるのかを理解することは、どのような方々がお客様となるのかに繋がります。
民間施設である介護付き有料老人ホームやグループホーム、公的施設である特別養護老人ホームやケアハウス、介護老人保健施設などがあり、それぞれ入居条件が違います。
別ブログで詳しく解説しますが、今回紹介しました施設は一部であり、それぞれに特徴とサービスの内容が異なります。
○そこではどんな資格を持った人が働いているのか
その多種多様な施設ではいったいどんな資格を持った方が働いているのでしょうか?
ケアマネジャーさんと初任者研修をお持ちのスタッフさんでも仕事内容やキャリアが違ったりします。施設のスタッフさんかと思っていたら送迎バスの運転手さんだっだりすることもありました。
いつもお話しをしてくれるスタッフさんは誰で、どんな立場で、どんな資格をお持ちでどのぐらい働かれているのか、それを知っているだけで安心材料になります。自分が理美容の者だと自己紹介し覚えてもらいつつ、こちらも覚えていくことが大切です。
○要介護者のご自宅での過ごし方を知る
要介護者、つまりご自宅で介護を受けていらっしゃる方がお客様の場合、その方が普段どのように1日をお過ごしになっているか知る事も大切です。サロンワークでカウンセリングする際、お客様のライフワークやライフスタイルをお聞きすることと同じく、そこからヘアスタイルや会話のヒントを得られることは沢山あります。
その際はケアマネージャーさんやご家族様にお聞きすることになりますが、コミュニケーションをとるきっかけにもなりますし、地域包括にも一躍かえるのではないかと思っています。
○介助の知識
私共ニーエでは介護職の経験のあるスタッフ以外は、訪問美容師はあくまで美容師で、介護士さんのような仕事はできない前提で考えています。よって介助を積極的なやることは控えていますが、基本的な介助の知識があれば介助者さんの介助、とまでは言いませんが何か困った際の手助けぐらいはできると思っています。介助はスタッフさんやご家族様にやって頂くことが事故を防ぐためでもあります。しかしヘアサロンでもご年配のお客様がシャンプー台から立ち上がる時手を貸したりするように、お一人暮らしをされている方に手を貸した方がいい場面もいつかはくるでしょう。知識は身を助ける、と思って基本的な介助知識もあったらいいと考えています。
【訪問美容をはじめるには】
冒頭で述べました、訪問美容を始めるにあたら屋号を決めて独立開業する方法もあります。法人でない限りは個人事業主になりますので、各所へ手続きなどが必要ですのでしっかり時間に余裕をもって準備することが大切です。
○開業の流れ
まず地域を決めなければいけません。個人で動く場合特に重要なポイントとなります。
例えばエリアを東京全域にする場合、朝に江戸川区、その後世田谷区、その後中央区…など縦横無尽に移動しなければなりません。活動エリアをある程度絞ることで移動時間のロスを無くし、効率よくお客様の所へ訪問する事ができます。
続いて屋号を決め、本拠地を決めます。本拠地はヘアサロンがあればそこになりますが、訪問美容のみをやる場合道具などを管理するご自宅や事務所がそれにあたると思われます。その後必要であれば銀行に事業用の口座開設などを行います。
平行して道具の準備、チラシやHPの作成もしていきます。
○必要な手続きや申請
活動エリアが決まったら、ご自宅または事業をする地区の保健所へ申請手続きが必要になります。自治体によって異なるため、区役所の保健所に訪問美容をやる旨を伝えて相談するとよいでしょう。
さらに個人事業主として新規開業する場合は管轄の税務署に届出が必要です。地区によって管轄が違うので、様下調べが必要になります。法人の場合は税理士さんに相談しましょう。
【まとめ】
今回は訪問美容師になるためには、訪問美容をやるためにはどんな資格や手続きが必要か解説させて頂きました。少しだけでも理解を深めてもらえましたでしょうか?
ニーエとして活動している私の肌感覚ですが、訪問美容師は横のつながりを求め、他の訪問美容師との関係をとても大事にしているように感じています。活動したいと思っている同じエリアで活動している先輩訪問美容さんに色々伺えると、地域の訪問美容の現状の情報交換だけでなく各地区の申請の事なども聞けてよいと思います。
活動の準備と並行してSNSなどを活用して訪問美容さんとのコミュニケーションを深めていけるといいかもしれません。
次回は在宅や施設などそれぞれの訪問美容の特徴などをご紹介できればと思っています。
今回も長い文章、ご拝読ありがとうございました。
nie.
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